クリエイティブを「輸出」できるか? 日本と台湾の間で考え続けている、ある「仮説」について。

1. 違和感の正体:AIは「ツール」で終わるのか
この一週間、私はひたすら考え続けていた。世の中が生成AIの「便利さ」に沸く中で、自分の中に拭いきれない違和感があったからだ。AIは単なる便利な道具(ツール)として、既存の作業を少し楽にするだけで終わる存在なのだろうか。
2. 「デジタル製造業」という仮説
その違和感を解く鍵として、今、私の中で形になりつつあるのが「デジタル製造業」という概念だ。
例えば、GoogleやAmazonが半導体を自社設計しても、製造はTSMCへ託す。それは、製造というプロセスには、設計とは別の「歩留まり(良率)」への凄まじい執念と、巨大なインフラが必要だからだ。
クリエイティブの世界も同じではないか?
日本が持つ卓越した「設計(脳)」と、台湾が誇る精密な「製造(体)」のスピリット。これらを「PSD RPA(フィジカルAI)」という技術で繋いだとき、そこには単なるSaaSを超えた、デジタルアセットの巨大な製造ラインが出現するのではないか。そんな仮説を立てている。
3. 熟考の先に見える「三段階の景色」
まだ、すべてに答えが出たわけではない。しかし、この仮説を形にするためのロードマップは見え始めている。
1. 日台CXでの実証: まずは日本と台湾の現場で、AI接客がどれだけ顧客の「体温」を上げられるか。
2. OneDesignによる製造: 現場の声を元に、制作フローを「製造ライン」として再定義し、日本市場へ投入する。
3. 欧米への輸出: 世界規格(PSD)を、APIを通じて欧米市場へ供給する。
これは「日本が生み出した脳」を、「台湾という最強の工場」を通じて世界へ輸出する、新しい貿易の形だ。
4. 経営合宿で「問い」をぶつける
来週、日本と台湾のマネージャー陣を集めて経営合宿を行う。
ここで私が彼らにぶつけたいのは、「私たちは何者か」という問いだ。単なるソフトウェア開発者か、それとも世界を変える「デジタル製造業」の旗手なのか。
まだ熟考の最中ではある。しかし、この「設計・製造・輸出」というトライアングルの中に、日本のクリエイティブが再び世界で勝つためのヒントが隠されている気がしてならない。